2016-08-08

木を削るということ


先日、ブラックチェリーのダイニングセットをお届けしてきました。

手前の揃いの椅子は久しぶりにダイニングテーブルにあわせたのですが、背中から見るとなかなか良いです。

この椅子は、背を一枚の厚い板から削りだすのでとても手間がかかります。

でもこうして並んでいるのを眺めると苦労が報われます。



そして、このあと控えている箱物家具のために材木を仕入れました。

良質のチェリー材に本当にわくわくします。

でもこうして材料と向き合うと、自然のいのちを分けてもらいながら家具を作っていることに気づきます。そうしてそれに見合う自分のたましいを、少しずつ削り差し出しながら日々家具を製作していることを、心の深くであらためて認識します。

ですから、製作の日々が続くと人知れず抜け殻のようになり、また、そんな自分を見てがっかりされることも時々あります。

でもまあ、それはそれで仕様がないことですが…。

それでもこうして、自分の命を削るほど真剣に向き合える仕事に出会えたことを誇りに思います。

完成した家具をお届けしてお客様が喜んでくれるのであれば、それで、いいのです。


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