2016-12-28

全てが丸くおさまりますように

先日の25日が、今年のギャラリーの最後の営業日でした。

今年の後半は本当にいろいろとあって、来年は大きく変化する年になりそうです。

チェリー無垢材の月の形をした座卓

ギャラリーに展示している『月の座卓』は天板の一部が欠けているのですが、上から見るとその部分に棚板が重なり、丸く見えます。

そんなふうに見る角度を変えたり俯瞰して見ることで、欠けている部分が補われたり、物事が丸くおさまるのかもしれません。


今年一年アオゾラレターを読んでいただきありがとうございました。

2017年は、1月7日(土)より営業を始めます。どうぞよろしくお願い致します。


2016-12-15

引き継がれるもの

久しぶりにギャラリーに置くための家具を作りました。

真ん中に抽斗がひとつあるシンプルなブラックチェリーのデスクです。

ブラックチェリーの無垢の木のデスク

デスクには、少し特別な想いがあります。

僕自身の考えですが、小さいうちから大人になるまでずっと使える家具として最も適しているのが木のデスクではないかと思うのです。あるいは、親から子へ引き継ぐ家具として。

ですから出来るだけシンプルに、そしてその中にちょっとだけワクワクする要素をデザインに盛り込みました。

無垢の木のデスクの引き出しと取っ手

この新しい『抽斗デスク』は、今週末よりギャラリーに展示しております。


2016-11-11

5周年

11月11日。本日でギャラリーを開店して5年が経ちました。
なによりもここまで続いたことに、いくら感謝しても足りないくらいです。

いろいろあったんです。まあ会社なので、それはいろいろとあります。

そしてひとつ、自分にそして会社にとって、とても大きな変化がこれから起こる予定です。
できればそのことが良きことだといいなあ。

でも5年前の写真を見て、なんとかなると思いました。この時は今の自分を全く想像出来なかったのですから。

ギャラリーをリノベーションする前の建物のなか

「お知らせ」

鉋を置いて街へ出なければならない用事があるため、今後しばらくの間ギャラリーの営業日を、土日祝日のみとさせていただきます。

ご不便をおかけしますが、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

引き続き応援して頂けると、とても助かります。



2016-11-08

洋服を仕舞う家具

先日無事に完成し納品したのは、ブラックチェリーのワードローブ。

2つ並んでいる奥のほうが、今回お届けしたものです。

手前の洋服箪笥は約一年前にお届けしたもの。チェリーの経年による、とても良い色になってくれてます。

チェリー無垢のワードローブと洋服箪笥

扉は毎日開け閉めするものなので、金具に平丁番を選びました。動きの心地よさが違います。

そしてシンプルな取っ手は平丁番と同じ真鍮製です。

チェリー無垢のワードローブのアップ

一応説明します。ワードローブとは洋服をハンガーに掛けたまま仕舞える家具です。

最近では、クローゼットがある家が多いため活躍の場はめっきり減りましたが、大切な洋服を仕舞うたびに心躍る愉しい家具なのです。

チェリー無垢のワードローブの扉内部

このように品よく納まりましたが、実はかなりの大きさで製作するのがとてもとても大変でした。

写真ではその大きさが伝わらないのが、ちょっと悔しいです(笑)

チェリー無垢のワードローブと本棚

奥にある先日お届けした本棚には、本が綺麗に納まっていました。


2016-10-26

ちょうどよい本棚

本が好きなので、ギャラリーでは家具と一緒にいくつかの本を飾っています。



先日お届けしましたブラックチェリーの本棚。

とっておきの本を仕舞うのにちょうどよい大きさなのではないかと思います。


横から見てほんの少しだけ、上のほうの奥行きを狭くしています。

このシンプルさ加減が自分でもとても気に入っています。



引き出しのなかにも、こっそりと本を忍ばせております。


2016-10-12

チェリーの本棚とテレビ台

先日お届けしました、チェリーの本棚とテレビキャビネットの組み合わせです。

まずは、ギャラリーに置いた姿が美しかったのでこちらから。


今回お届けしたお客様には、小さなお子さんがいらっしゃいました。

ですから、打ち合わせを進めながら曲線を使ったデザインを何処かに入れようと考えていました。角を丸くするというのも決めていました。

そして、こうして並べて置いたときに、天板の木目が繋がります。


テレビとデッキを収めるとこのように。

お子さんのカラフルな絵本を置いたところを思い浮かべて、心のなかでそっとワクワクします。


「この家具をオーダーされたお家には小さなお子さんがいらっしゃるのですね」と、

ギャラリーに展示中に言い当ててくれたお客様がいて、嬉しかったなあ。


2016-09-27

チェリーの壁面キャビネット


先日、ブラックチェリーの壁面キャビネットをお届けしてきました。

壁掛けテレビを囲うように、2種類のキャビネットを並べて配置しました。


以前ここに何回か書いていることですが、毎回お客様の話に耳を傾け相談しながらデザインを決めていきます。

そして経験上、そのやり取りが多ければそれだけ、結果として良いデザインになるようです。


産みの苦しみの恩恵というのもあるのかなあと思います。

打ち合わせを繰り返すなかで家具とあまり関係ない話をお客様から聞き、それらがほんのりとデザインに纏わりつくのかもしれません。



お客様のこれまでのことやこれからのことを聞き、そこから生まれた家具。

そんな家具がお客様にとってかけがえのないものとなりますように。



2016-09-14

ある日の作業風景

大きめの家具を製作していると、このブログの更新がなかなか出来ません。

(まあ、もともとあまり更新しないのですが…)


ということで作業風景です。


ロウボードの本体に合わせて、扉を吊り込みます。



キャビネットの側板に、良い曲線のラインが出せました。



そして私事ですが、4年振りに合気道の稽古を再開しました。それ以前に5年ほど続けていました。

生きていくうえで仕事以外にもうひとつの軸を持つことが大切だと考えています。それが仕事に良い影響を及ぼすのなら、なおさらです。


「背が高いけれど、なにか運動をやっているのですか?」

と聞かれたら(よく聞かれる)これからは「合気道です」と答えようと思います。


2016-08-31

ブラックチェリーの食器棚


幅136センチ、高さ130センチの大きな食器棚をお届けしてきました。

材種はブラックチェリーです。

上段はガラス引き戸、下段はたくさんの引出しなので、食器だけでなく色々な物を仕舞えます。


建て替え前に建具に使われていた古いガラスを大事に取っておいて、今回の食器棚の引き戸に再利用しました。

愉しい紅葉柄…!今はこのようなガラスは生産されていません。

ですからこういう仕事はとても貴重で嬉しいです。そして、綺麗です。


大きくて堂々としていて、いつまでも眺めていられます…。


2016-08-23

チェリーの玄関棚


先日お届けしました、ブラックチェリーの玄関棚。

家に帰ってきた時に暖かく迎えてくれるような、どっしりといつもそこにいてくれる安心感みたいなものをデザインに込めました。

引き出しと扉もあるので、出掛けるのに必要なものをしっかりと収納できます。

「玄関が落ち着いた雰囲気になりました」

と、お客様から言葉を頂きました。ありがとうございました。


そして今年の夏は、アスリートではないけれどたくさんの汗を流しました。

全身を使って作ったとても大きな食器棚を、もうすぐお届けします。


オリンピックはリアルタイムで観られなかったのですが、毎朝ダイジェストを観て号泣しておりました…!


2016-08-08

木を削るということ


先日、ブラックチェリーのダイニングセットをお届けしてきました。

手前の揃いの椅子は久しぶりにダイニングテーブルにあわせたのですが、背中から見るとなかなか良いです。

この椅子は、背を一枚の厚い板から削りだすのでとても手間がかかります。

でもこうして並んでいるのを眺めると苦労が報われます。



そして、このあと控えている箱物家具のために材木を仕入れました。

良質のチェリー材に本当にわくわくします。

でもこうして材料と向き合うと、自然のいのちを分けてもらいながら家具を作っていることに気づきます。そうしてそれに見合う自分のたましいを、少しずつ削り差し出しながら日々家具を製作していることを、心の深くであらためて認識します。

ですから、製作の日々が続くと人知れず抜け殻のようになり、また、そんな自分を見てがっかりされることも時々あります。

でもまあ、それはそれで仕様がないことですが…。

それでもこうして、自分の命を削るほど真剣に向き合える仕事に出会えたことを誇りに思います。

完成した家具をお届けしてお客様が喜んでくれるのであれば、それで、いいのです。


<夏季休暇のお知らせ>
8/11(木)〜8/14(日)までギャラリーをお休みとさせていただきます。

2016-08-03

門前仲町のお菓子屋さん

清澄通り沿いにあるお菓子屋さん

「パティスリーウルス」

さんのイートインスペースに、先日テーブルと椅子をお届けしてきました。


メインはお持ち帰りのケーキ屋さんなので、できるだけコンパクトに。

また、小さいお子さんが手に触れやすいように全体的に丸みを持たせました。

そして何よりもお菓子屋さんに置くので、ワクワクするような楽しさを感じられるデザインになるよう心がけました。


夏のあいだは、このかき氷が食べられます。

目の前に置くと、ものすっごく(!)テンションが上がります。


おひとりか、おふたりさま用。もちろん、男性一人でも大丈夫です。



2016-07-22

それぞれの家具


この場所で家具を作り始めてから、5年が経ちました。

「どうにかここまでやってこられた…」

というのが、今の素直な心境です。

そしてこれを機に「オーダー事例」に家具をまとめましたので、お時間のある時にちょっと覗いてみてください。

アオゾラカグシキ會社HP「オーダー事例」
(61.〜81.が、今回の追加分になります)
http://www.aozorakagu.com/ordermade.html


同じ組み合わせでもそれぞれのお宅に置いてみるとこんなにも表情が違って見える、というのが見どころのひとつです。


2016-07-07

COFFEE & ROASTER 2-3

休日に、以前カウンタースツールをお届けした下高井戸の喫茶店へ行きました。

そして珈琲豆を買って帰りました。


家に着いて気づいたのですが、なんとも今日の七夕にちなんだ愉しい名前でした。


そしてこちらは先日お届けしましたブラックチェリーのダイニングセット。


横幅よりもほんの少し縦長の正方形に近いテーブルは見た目のバランスも良く、これからも積極的に提案していこうと思います。


リノベーションされたキッチンが、とても素敵です。



2016-06-30

座卓は楽し

雨降りの日々の合間に、座卓をふたつほどお届けしてきました。

どこか夏らしいブラックチェリーのロウテーブルです。


爽やかな青色の畳カーペットとチェリーの淡い赤褐色がよく似合っています。


そしてこちらは『月の座卓』。


ウォルナットで作ったのは初めてですが、こちらも涼やかで良い感じです。


梅雨が明けたら工房にも暑い夏がやってきます。

今年もクーラーは無いので、扇風機と風鈴でなんとかやり過ごそう…、と思います。


2016-06-22

ウチも小さく載ってます


今月発売の『散歩の達人』(交通新聞社発行)で清澄白河周辺が特集されています。

路地裏を歩く猫のような視点が愉しい、昔から好きな街歩きの本です。

僕が好きな店もたくさん取り上げられていて、密かにカッコ良いと思ってた『深川図書館』も写真入りで載ってます。(同じページにウチも!)

書店で見かけたらぜひ、手にとってみてください。


さて、ここのところギャラリーの床を直したり多くの打ち合わせをこなしたりと家具をあまり作らない日々でした。

おかげで、いろいろと楽しみな製作が控えています。

お菓子屋さんの机と椅子、昔のガラスを使った食器棚、壁掛けテレビまわりのリビングボードなど…。

ほんとうにワクワクします。



2016-05-31

部屋に馴染む


ブラックチェリーの少し小さめのダイニングテーブルです。

今回お届けしたのはこのテーブルだけなのですが、すでに部屋にある家具や植物にとても馴染んでいます。

空間に馴染むようにということは、とても大事にしていることのひとつです。
なので、これはちょっと嬉しい写真です。


そして、ここのところいくつかの打ち合わせを平行して進めています。

図面を描くのは、けっこう時間がかかります。

それでもお客様のご要望をもとに、こちらから提案した図面を見ていただくと、また新たな気づきが生まれます。

このロウボードの図面も、打ち合わせを終えてまた新たな形になります。


どうなっていくのかわかりませんが、楽しみです。


2016-05-20

愛知県に行きました

先日、愛知県蒲郡市にある友人の工房を訪ねてきました。



その場所に暮らす人たちの声や風景に耳を傾けながら手仕事で作り出されるものは、とても尊くて美しかったです。

元気そうで、また忙しそうでなによりでした。


そして東京に戻り、お客様とソファに使う生地の打ち合わせをしました。


なんだかもう、良さそうです。

ソファを作ることは、今年の大きな仕事のうちのひとつです。



2016-05-10

ゴールデンウィークを終えて

今年のゴールデンウィークは、とても長かったような気がします。

そして遠方から、あるいは久しぶりに訪ねて来てくださるお客様など、普段より少しだけ賑やかな営業となりました。

どうもありがとうございました。それは、とても励みになります。


さて、ギャラリーにあった椅子を少し、改良しました。



見た目はほとんど変わりません。

座面を少し大きくしたり、後ろ脚と背の角度を少し変えたりと…。
ほんのちょっとしたところを変えました。

椅子は普通、作り手が座り心地を自分で試しながら作るので、「自分にはちょっと不利だよなあ…」と思いながら、いつも作っています。

ギャラリーに置いてありますので、是非、お試しください。


そしてこちらは、先日お届けしたブラックチェリーのダイニングテーブル。


濃い色の木目のフローリングにも、よく似合っています。


個人的には、連休は仕事とそのあとの独り飲みで終わってしまいました…。


2016-04-30

大きなチェリーのテーブル

先日、ブラックチェリーのダイニングテーブルとベンチをお届けしてきました。


ダイニングテーブルは、長さが180センチあります。

そして実際には、写真で見るよりもとても大きくてどっしりとしています。

「大黒柱をたてるように…」と、この角脚のテーブルを初めて作ったときのブログに書きましたが、その思いは今でも全く変わりません…。


なんだか、気に入ってくれたみたい…。


ひとりで工房をやっている一番の利点は、自分が作った家具を自分で届けることができることです。

そして、こんなふうにすべての苦労が報われる瞬間に出逢えることなのです…♪


2016-04-20

ウォルナットのテレビ台

前回紹介した、ローテーブルをお送りした熊本のお客様から、「こちらはなんとか元気でやっています。」とのご連絡を頂きました。

とても心配だったので、とりあえず安心しました。

お客様を含め、避難生活をされてる皆さまが、1日も早くもとの生活に戻るよう心から願っております。


先日お届けしました、ウォルナットのテレビボード。

幅は2mあります。ですが、お部屋にあわせて作ったのでそれほど大きく見えません。



真鍮の取っ手は、いつもお願いしている職人さんのオーダーメイド。

今回のために特別に取り寄せた隣り合う左右の扉のための丁番も、デザインのアクセントに一役買ってくれています。

そして、中央の扉を開けると…、


引き出しがあります。仕切り板にあわせてCDやDVDなどを収納できます。


そしてふと見ると、別の引き出しにカラフルなボールと、その横でニヤリとするお子さん…!


この家具が届いてから、お子さんが絵本やおもちゃを愉しそうに仕舞うようになったそうです。

そんな、「使うことが愉しい!」という感想を、とても嬉しく思います。


家具を作るうえで何よりも大切にしているのは、「わくわく感」です。